「一般財団法人久留米・筑後移植医療推進財団」が、2020年6月1日に誕生しました。当財団は、久留米・筑後地区の多くの医療施設と医療関係者の密接な協力のもと、当地区にお住まいの皆様に、①健康の増進、②病気の予防、③終末期医療、④移植医療などの大切さをご理解、ご協力いただくことを使命にしております。
健康は、「人」にとって健全な個人的、家庭的、社会的な生活を営む上で最も大切なものです。医学技術の進歩により人の寿命は格段に延長し、我が国では「人生100年」と近年喧伝されるようになりました。しかし、不測の病気で健全な営みが阻害され、時として不幸な転帰を迎えることもあります。従って、常日頃から健康に対する関心と、病に対する知識と心構えが重要です。そのためにも「かかりつけ医」をはじめとする医療関係者との対話が望まれています。
医学には限界があります。医師や看護師が最善の努力をもってしても救うことが出来ない「命」があります。このような「人生の最終段階」での医療を「終末期医療」と呼びます。どのように生きるかを考えて来たように、「御自身の尊厳」を保ってどのように死を迎えるかを考えておくことも大切です。また同様に、その時に臓器を提供するか否かについても考えておく必要もあります。海外では、提供された臓器で生命の危機に直面した患者さんの多くが救われています。しかし日本では、臓器の提供が少ないために「命」が空しく失われています。「終末期医療」や「臓器提供」の判断は、家族や社会とのかかわりに対するお一人お一人の考えによります。家族や「かかりつけ医]に折に触れて正しく伝えておくことが望まれます。
コロナ禍とそれに伴う社会の混乱の中、命を守る大切さを自覚すると共に、その命を守るために懸命に努力する医療関係者に称賛の声を挙げる方々が増えて来ました。当法人は、このような状況の中に誕生しました。今後、さまざまな講演会、セミナー、インターネットを通して、健康、病気、終末期医療、臓器提供などについて皆さまのご理解を深め、お一人お一人の考えと希望に応え、最大限に尊重する医療体制の整備に努めてまいります。
なお、当法人の活動は、皆さまの善意で運営されています。より多くの方からのご支援とご協力をお願い申し上げます。